丹波立杭焼 大西 誠一

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大西 誠一

丹波立杭焼 

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大西 誠一

丹波立杭焼 

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大西 誠一

丹波立杭焼 

ではまず初めに、この丹波立杭焼に携わるきっかけを教えて頂けますか。

実は私、焼き物屋やる前は自動車関連の会社で働いていまして、特に父から焼き物を継げとも言われていなかったので結局四年間そこで働いていました。最初は修理などのサービスをやっていたんですけども、自分の性に合わずとりあえず営業職に就きたいと思いまして、その営業職に就くために別の関連会社に異動しました。

そしてその後丹波立杭焼の世界に入られたんですか?

そうですね。会社を辞める直前に父親からその時の事情で「焼き物やってみたらどうや」と言われていて、自分もなんとなく営業をやっている時にこのまま男一匹生きていってサラリーマンで一生終わるのもなんやなぁと、何か商売やりたいなぁと思っていたのでそこで決めたんです。ただ何か商売やるには元手がいるので親父の後を継ぐのが一番手っ取り早いと思い焼き物を継ぐことにしました。 その後、父と「継ぐなら店が必要やな」と話して今のお店を500万ほど借金して建てました。

それからはどのようにして技術を学びましたか?

父からよく「技術は手鳥足取り教えるもんじゃない 目で盗むもんや」と言われていまして、そこから同級生などがやっている焼き物屋などを回って見て、そして父の手伝いなどで技術を学びましたね。

丹波立杭焼について調べてみたら職人さんの苗字が全く一緒の方が多く見受けられました。それはどうしてなのでしょうか。

ここらの焼き物屋には昔からの本家というものがあって本家市野と言うんですが、その人達が多いのは丹波立杭焼が家業制だからなんですね。丹波焼は家業で焼き物を作るのがほとんどなので勿論結婚相手も焼き物を作らなきゃいけない。なので都市の方から結婚相手を探すよりも、焼き物を見て生きてきた地元の人と結婚するのがほとんどなんです。逆に焼き物を知っていない人と結婚した結果 相手が手伝わない といった話はよく聞きました。こういった理由で血縁関係が近い同士で結婚することが多く市野家の人がとても多いんです。

日本の伝統工芸全体で後継ぎ問題というのがよく取り沙汰されています、ここ丹波の地でもそういった問題に直面していますか。

もう それは完全にそうなってます。今この丹波立杭焼の組合数で約50件あり、まだ多いように感じられるんですが10年~15年もしない間に半分くらいになってると思います。実はここから離れた地域で登り窯や穴窯がある歴史的に一番古いところではもう今一件しか焼き物ややっていません。この地域は確かにまだ十数件ありますが、後継ぎがいるところは大体三件くらいしかなく、今は昔と違って本人がよっぽど焼き物をやりたいとでも言わない限り後を継がせていないんですね。それは今の丹波焼の現状、売り上げも安定しないところも多いので、簡単に焼き物を継いでくれとは言いにくいんです。

陶の郷という多数の窯元の陶器が販売されているところ以外で、どこの小売店に販売されていますか?

もう今は数件ですね。昔好景気だった頃は全国に50件くらい仕入れて送っていたこともありましたが、それからはもうどんどんどんどん減っていきました。だから今丹波ではネットで販売をやり始めたところも多いんですが、うちはやってないんです。確かにそりゃ量を作ろうと思ったら作れますが、写真と同じ良いものをいくつも作ることは焼き物じゃ凄い難しい。それで実際、写真と実物の色合いが違うと文句を言われたこともありました特にうちは他の焼き物屋が使ってるガス窯や電気窯と違って薪の窯を使っているので、いくつも同じものを作るのは困難なんです。

昔と今で売れる商品というのも当然変化してきているとは思いますが、現在はどのような商品がよく売れていますか?

昔は壺などもよく売れていましたが、時代の変化でほとんど売れないようになっていきました。どんなに素晴らしいものを作っても値段は高くなるし、元も取りにくい。だからおのずと壺類より他の食器類を作るようになりました。なので今の売り上げは壺類が一割くらいで、皿などの食器類が八割くらいになります。

丹誠窯では陶芸教室などもされていました、それはまたどういった経緯で?

陶芸教室自体は陶の郷とか他の窯でもやってるんですが、そのほとんどが電気窯とかガス窯を使っていて薪の窯で焼くところがほとんどなく、丹波に来るんやったら薪の窯で焼いた方がいいんじゃないかと思ってそれをホームページに載せたら、それを見た人が結構丹誠窯に来てくれました。そもそも薪の窯で頻繁に陶器を焼くという焼き物屋は少ないし、個展でもしない限り焼かないところがほとんどなんです。

丹誠窯

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