大阪浪華錫器 今井 達昌

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今井 達昌

大阪浪華錫器

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今井 達昌

大阪浪華錫器

この業種に携わろうと思ったきっかけを教えて下さい。

子どもの頃から家業を継ぐんだと思っていたのでそのまま。その頃は今ほどの会社の規模じゃなかったし職人も6.7人ぐらいでした。

その当時の会社が今ほどの会社の規模になったのはなぜですか?

売れるようになったからです。平成15年から今の錫器の先駆けとなるシリーズが販売されまして、その錫器でお酒を飲むと美味しくなるという強みが今売れている理由になりますね。

伝統工芸士が五人も在籍しているとのことですが、それほど増加させるためにどのような若手育成をされましたか?

考え方を大きく変えたことです。一概に錫器の工程といっても素人でも出来るような工程やプロしか出来ないような工程もあります。今は入りたての子とかでもその雑作業をして給料を貰うことは出来ますが、昔は入って3.5年はタダ飯という考え方でしたから。その若い彼らも経験を重ねればより技術の高い工程にもチャレンジしていきますし、そしてうちは老若男女問わず雇っているので。一番若い子は20歳、最高齢で80代の方とかね。しかも募集をかければ結構くるんですよ、コロナ前1人募集したら9人来ました。伝統工芸で後継者不足とよく言われますがただ雇えないだけなんですよ、やりたい子は多い。

ご自身のような大きい会社と小さくやられているようなところとではどのような違いがありますか?

まずうちのようなところと個人とでは考え方が違うんです。うちはたくさんのお客が来るとこでたくさん売れるような生産力を保たなければいけないんですが、そういったところに個人が参入すると生産が追いつかないし条件が悪くなっていく。例えばもし個人が流通に入ったとすると同じ器でもAさんの一万円の商品とBさんの一万二千円の商品の二つをまとめないと売り場っていうのが構築出来ないせいで、なんで Bさんの商品は高いの? と言われ いやこっちの方が手間かかってるんや と言っても買うお客さんは内部事情まで知らないので結局安いAさんの方の商品を買うことになる。つまり最終的にBさんは商品の値段をAさんに合わせて下げる必要が出てくる。このように個人だけでは立ち向かいようがないし、流通に潰されてしまうんですね。だから家業とかで小さくやられてる方っていうのが多くいらっしゃるんです。

錫器というのは手作業が多いと拝見したんですが、その製造工程の機械化は現代化に伴って進んでいますか?

ほとんど進んでないです。それはうちが伝統工芸だからです、工業製品として扱っていないので。ただそれでも生産量が増えているのは職人が増えたのと作業の合理化が進んだからですね。

錫器をどのような方法で販売をしていますか?

問屋さんに卸売りしています。ただ一重に問屋さんといっても産地問屋と流通問屋という二種類がありまして、産地問屋というのは有田焼や信楽焼などの各産地だけのものを専門に扱うところで、産地問屋に言えばその産地のものが全部揃うんですよ。つまり産地の仕事をまとめて、産地のものを外に出していくという仲介の役割を担っています。逆に流通問屋っていうのは百貨店や量販店の窓口のことで産地に限らない全般を扱うところなんです。その百貨店や量販店などが陶器を求めているときにわざわざ窯一件ずつ回ってられないので、そこの産地問屋に言うことで陶器を揃えれるという仕組みです。
ただ今は大阪に産地問屋がないです、昔はあったんですけどね。そもそも以前からうちは関西、大阪中心の流通に限ってその産地問屋のような問屋に商品を入れてて、よその流通に関しては流通問屋に直接入れていたので。

今は沖縄から北海道までの全国120以上の店頭にうちの商品が出ています。この販路は伝統工芸の業界でみたらトップクラスだと思いますよ。

そこまで全国に販路が広がるようになったのはどうしてですか?

リーマンショックで皆は結構こたえたと思うんですが、うちは百貨店の店頭に約30あったのが80に増えて、むしろ売り上げは伸びました。リーマンショックの前からそもそもずっと準備をしていて、タイミング良くリーマンショックが来たので乗り越えることが出来たんです。その後は百貨店が150店舗ほどまで増えましたが今は減ってきて120くらいですね。

海外に対しての販路はありますか?

それも取引先が海外に販売しているという形ですかね。直接的に海外で販売するときの通関業務にかかるコスト、人材っていう面で考えたら売り上げと釣り合わないんですね。それともし海外に力を入れたら発注ロットが大きくなる時があるんです、そしたら国内の元々の取引先に迷惑がかかってしまうので。

大阪錫器株式会社

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