京表具 高見 芳雄

昔と今でお客さんに求められるデザインというのはどのように変化してきていますか?

従来のお坊さんとかは頼まれたものを私達が好きなように生地を組み立てて送ってありがとうで終わりなんですが、こだわりのある方やアーティストさんとかの依頼だと生地までしっかりと自分自身で選びたいという方が増えました。

京都の表具と他府県の表具とではどのような違いがありますか?

日本全国の表具屋さんの中で京都が一番だと思っています。よそで出来ない仕事でも京都に持ってけば必ず一人はこなせる職人がいる。いろんな面での技術が抜きん出ていると思います。全国各地に表具屋さんはありますが、日本の伝統工芸として認められているのは京表具だけですからね。

そういった京表具の良さというのは京都という地であるということが一つの要因だと感じたのですが、実際そういった土地柄によるメリットはありますか?

京都という地は寺社仏閣がたくさんあるので表具師としての仕事が多いんですよね。それ故に昔から京都には全国から優秀な表具師が集まっていくのでその相互作用が働き今の京表具があると思います。

今後京表具はどのようになっていくと思いますか?

あまり変わらないと思います、変わって欲しくない。若い世代がどんどん新しいことをやっていってるので、そんな風に若干京表具としての色味が若干異なっていきながらも存続していくと思いますよ。


最後にご自身の今後の目標を教えて下さい。

海外の文化財の修理を手掛けてみたいというのが第一の目標ですね。第二の目標は後継者、出来るだけ京表具を教えていきたい。今は二人でやっていますがもう一人二人欲しいなぁ。ただ仕事は辛くても楽しくなかったらダメですし、仕事を楽しいを思えることが表具に携わる上でとても重要なことだと私は思っています。

仕事を楽しいと思い始めたのはいつ頃からですか?

私が仕事楽しくなったのは50歳の頃でしたね。それまでもしっかりと仕事はしてきましたが、何分口下手だったのでお客さんのお話が出来なかった。少し自分の仕事に自身がなかったからかもしれません。でも50歳になってからは自分の仕事に自身がつき話も出来るようになって立命館で講師をやるようにもなりました。


インタビュー内容を一部改変し、簡略化させて頂いています。

翠芳堂

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