
まず初めにこの業種に携わろうと思ったきっかけを教えて下さい。
家業として代々継いでますのでそのままという感じです。長男でしたし、いつかは継ぐのかなと思っていました。
先代とご自身の代を比べて会社はどのように変化してきましたか?
清水焼に限らず商売っていうのは一つのビジネスプランが何十年も続くことはなくて、陶器を作ってるということに関しては100年前からもずっと一緒ですけども、時代が変化すると商材もお客さんの需要も違ってきますしね。それに合わせて作る物も変えていかないとどんどん廃れていってしまいますから。
他の窯元に比べ職人さんも多く大所帯な印象を受けました、その違いというのはどんなところにありますか?
売り先がたくさんありますからね。陶器はどれだけ機械化したと言っても結局は手仕事なので、生産力を上げる為には雇用をしていかないといけない。特に売り上げの半分っていうのは海外で、特にここは観光地の京都ですからインバウンドで陶器を買ってくださることも多いです。
後継者問題というのが伝統産業全体で取り沙汰される中で多くの職人を育成出来ている要因は何ですか?
実は陶芸の職人になりたいという人の人数と雇いたいという人の人数を見てみると圧倒的に募集人数の方が少ないんですよ。採用する時には倍率が10何倍とかになったりするので昔に比べてむしろ良い人材を雇えるようになりましたね。
そういった陶芸を志す人達というのはどのような進路でここに携わることが多いんですか?
京都には陶芸の専門学校というのがあるので陶器をやりたい人というのは非常に多い。だから京都市内では就職先が見つからずに全国各地に行きはるんですね。全国に行けばそれなりに需要がありますので。

直営店として数店舗構えられていますがそのメリットは何ですか?
昔の陶器の流通はできたものを問屋さんに卸してそこから小売店にいって販売するという形だったんです。昔はそれでも成り立つ需要があったから良かったと思うんですがそのビジネスモデルではもう古いですから。直売をすれば利益率も上がりますし消費者の声も直に聞くことが出来ます。今はコロナで実店舗の売り上げが八割減という状況ですけども、京都は観光地ですのでコロナが明けたら人も戻ってくると思いますよ。
その観光地の京都だけでなく大阪の高槻の方でも店舗を構えられていましたがそれはどういった意図で?
インバウンドでの売り上げの比率がどんどん高くなっていって国内での比率が下がっていっていたので、それを戻す為に高槻に構えたんですけどもその後すぐにコロナ禍になってしまいました。

陶あん
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